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#LTV 

LTVとは?
既存顧客を活用した、中小企業の売上拡大戦略について解説

公開日:2023.05.23
更新日:2023.06.08

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LTVの基本と重要性を解説

LTVとは

「LTV」(LifeTime Value)は、「生涯顧客価値」と呼ばれます。簡潔に言えば、顧客が企業から購入する製品やサービスによってもたらされる総収益の合計です。

LTVの重要性とは

LTVという概念がなぜ重要なのでしょうか。顧客を獲得するためには一定の費用がかかりますが、顧客が長期間にわたって企業と取引を続ける場合、その間に生み出される収益は増加していくのです。つまり、顧客のLTVが高ければ高いほど、企業の利益を増やすことができるわけです。

中小企業にとってLTVの理解は非常に重要です。予算が限られている中で、効果的なマーケティング施策を展開するためには、顧客の長期的な価値を把握する必要があります。顧客のニーズを理解し、満足度を高めることで、継続的な売上の安定化や競争力の向上が期待できます。

LTVを考慮に入れた戦略的なマーケティングアプローチや質の高いカスタマーサービスの提供を通じて、顧客の満足度を向上させ、企業の競争力を強化していくことが求められます。

LTVを知ることは誰にとってメリットがあるか

LTVを知ることは、どのような人にメリットをもたらすでしょうか。リストアップしました。

マーケティング担当者や経営者

LTVの概念を理解することで、ビジネスの成長戦略やマーケティング戦略を立案する際に顧客価値の最大化に焦点を当てることができます。また、顧客維持やリピート購買の重要性を認識し、それに基づいた戦略や施策を展開することができます。

マーケティング活動に関わる全ての従業員

LTVという概念を広めることで、マーケティング活動に関わる全ての従業員が顧客の長期的な価値を認識し、それに対して取り組む意識を高めることができます。更に、共通の理解を得ることで、従業員間の連携や協力が促進され、顧客満足度の向上や収益の最大化につなげることができます。

小規模事業主やスタートアップ企業、新規事業を展開する企業

LTVを知ることは、スタートアップ企業や新規事業を展開する企業にとって重要です。新規事業を立ち上げる際には、将来の顧客の価値を予測し、その価値を最大化する施策を講じる必要があります。LTVを知ることで、ビジネスモデルの設計やマーケティング戦略の立案において、より効果的な意思決定を行うことができます。

LTVを活用するメリットとは?

LTVが重視されるようになった背景

まず、LTVが重視されるようになった背景について説明します。

日本の人口減少

LTVが重視される背景には、さまざまな要因が存在します。まず、日本の人口減少による市場の縮小が挙げられます。競争が激化する中で、新規顧客の獲得が難しくなりました。このような状況下では、顧客の継続的な取引やリピート購買がより重要となります。LTVを最大化することで、限られた市場での競争力を高めることができます。

CRMツール・MAツールの進化

さらに、CRM(顧客管理)ツール・MAツールの進化もLTVの重要性を高めています。顧客のデータや行動履歴を正確に把握し、顧客に合わせたアプローチを行うことが可能になりました。顧客のニーズを的確に把握し、顧客体験を向上させることで、長期的な顧客関係を築くことができます。ツールとLTVの組み合わせは、顧客管理の効率化や顧客価値の最大化に貢献します。

サブスクリプション型サービスの増加

また、近年はサブスクリプション型のサービスが増えてきました。顧客は継続的なサービス提供を受けることで、定期的な収益を企業にもたらします。サブスクリプションモデルでは、顧客の継続率や収益性を重視するため、LTVの最大化が重要な課題となります。

これらの背景を踏まえて、中小企業はLTVの重要性を理解し、LTVの活用を図ることが求められています。

限られた予算内でLTVを活用するメリット

限られた予算内でLTV(生涯顧客価値)を活用することには、さまざまなメリットがあります。

長期的な収益性の向上

LTVを最大化することで、顧客の継続的な取引やリピート購買を促進することができます。単一の取引の利益に頼らずに、長期的な顧客からの安定的な収益を確保することができます。

コスト削減と新規顧客獲得の効率化

マーケティングにおける「1:5の法則」によれば、新規顧客獲得は既存顧客の育成よりコストが5倍かかるとされます。
新規顧客獲得には多額の広告やマーケティング予算が必要です。一方で、既存顧客へのアプローチやリピート購買の促進は比較的低コストで行えます。

顧客満足度とロイヤルティの向上

マーケティングにおける「5:25の法則」では、顧客の離脱を5%改善すれば、その利益率を25%改善することができるとされています。
顧客のデータや購買履歴を活用することで、それぞれの顧客に合わせたサービスやオファーを提供することができます。顧客は自分に合った価値を感じ、満足度が高まります。これにより、企業ロイヤルティ(忠誠心)を持ち続けることができます。
その数値目標として、LTVが重要なのです。

このように、限られた予算内でLTVを活用することには、収益性の向上、コスト削減、顧客満足度の向上といったメリットがあります。次の章では、具体的なLTVの計算方法とその活用法について詳しく紹介していきます。

具体例でわかるLTVの計算方法と活用方法

※LTVの計算方法はビジネスや業界によって異なる場合があるのでご注意ください。ビジネスモデルや戦略に合わせて、各企業や専門家が独自のLTV計算方法を使用することもあります。

小売業やEC(電子商取引)の場合

LTV = 平均購入単価 × 粗利率 × 平均購入頻度 × 平均継続期間

  • 平均購入単価:顧客が一回の取引で平均的に支払う金額
  • 粗利率:顧客の取引から得られる利益率
  • 平均購入頻度:一定期間内に顧客が平均的に何回取引を行うか
  • 平均継続期間:顧客が通常どのくらいの期間、ビジネスと関わり続けるか

この計算方法は、顧客の取引から得られる粗利益を考慮に入れています。粗利率は、商品やサービスのコストと売価との差を表します。顧客の取引から得られる利益を正確に見積もることで、LTVの算出がより現実的かつ正確になります。

サブスクリプション型のビジネスモデルの場合

サブスクリプション型のビジネスモデルでは、ARPU(Average Revenue Per User)とチャーンレート(Churn Rate)を考慮して、LTV(顧客生涯価値)を計算します。

LTV = (ARPU ÷ チャーンレート)

ARPUをチャーンレートで割ることで、1人の顧客がビジネスにもたらす平均的な収益をチャーンレートを考慮して推定します。これにより、顧客の継続性やチャーンレートの影響を反映したLTVを算出することができます。

ARPU(Average Revenue Per User)とは

ARPUは、ユーザーごとの平均収益を示す指標です。
ビジネスモデルによって異なりますが、サブスクリプションモデルでは、次の式で求めることができます。

ARPU = 「月額料金や年間料金から得られる収益」÷「ユーザー数」

チャーンレート(Churn Rate)とは

チャーンレートは、離脱率や退会率を示す指標です。サブスクリプションモデルでは、定期的に顧客が退会することがあります。

チャーンレート(%) = 「退会した顧客数」÷「特定の期間(通常は月または年)における全体の顧客数」×100

チャーンレートは、顧客の継続率や定期的な収益の予測に重要な役割を果たします。

LTVの計算方法は、特定の状況や目的に応じて使い分けることが重要です。ビジネスのニーズやデータの利用可能性に基づいて、最適な計算方法を選択し、LTVを適切に評価することが求められます。

LTVの活用方法

求めた顧客のLTV(顧客生涯価値)には、次のような活用方法があります。

マーケティング戦略の最適化

LTVは顧客の長期的な価値を示す指標なので、マーケティング戦略の最適化に活用することができます。
LTVの高い顧客セグメントに重点的にマーケティング予算を配分することで、収益性の高い顧客へのアプローチを強化することができます。また、LTVの低い顧客セグメントに対しては、リテンション(顧客維持)の施策を行い、継続的な取引や購入を促進することが重要です。

顧客サービスの向上

LTVの高い顧客には、より優れた顧客サービスや特典を提供することで、顧客の満足度や忠誠心を高めることができます。顧客のLTVを把握することで、顧客ごとにパーソナライズされたアプローチを取ることができ、顧客のニーズに合ったサービスやオファーを提供することができます。

収益予測と投資判断

LTVは顧客の長期的な収益性を示すため、ビジネスの収益予測や投資判断に活用することができます。LTVが高い顧客セグメントへの投資やリソース配分により、収益性の向上やビジネスの成長を促進することができます。また、LTVが低い顧客セグメントへの投資や改善策を検討することで、収益の最大化や収益性の改善を図ることができます。

チャーンレートの改善

LTVの一部要素である平均継続期間に注目することで、チャーンレート(顧客の離脱率)の改善に取り組むことができます。チャーンレートを低下させるための施策や顧客維持の取り組みを行うことで、顧客の長期的な関与を促進し、LTVの向上につなげることができます。

LTVの活用は、ビジネスの長期的な成長や収益性の向上に大きく寄与します。顧客のLTVを把握し、適切な施策を実施することで、顧客関係の強化や収益の最大化が可能となります。LTVを単独の指標として見るのではなく、他のビジネス指標やデータと組み合わせて総合的な分析を行うことが重要です。

LTV最大化のためのマーケティング戦略

これまで述べてきた通り、LTV(顧客生涯価値)の最大化は、収益性の向上・ コスト削減・競争力の向上・長期的なビジネスの成長に寄与します。ここでは、LTVを最大化するための戦略とアプローチとして、次の3つを紹介します。

  • 顧客セグメンテーションの実施
  • リテンション施策
  • リファラルマーケティングの活用

1. 顧客セグメンテーションの実施

「顧客セグメンテーション」とは

「顧客セグメンテーション」とは、顧客を異なるセグメント(小さなグループ)に分けることを指します。顧客を一律に扱わず、異なる特徴やニーズを持つグループに分けることで、マーケティングやビジネス戦略の効果を最大化する手法です。

顧客セグメンテーションの目的は、顧客の多様性を把握し、それぞれのセグメントに適切なアプローチを行うことです。顧客は個々に異なるニーズや好みを持っており、同じようなアプローチでは効果が得られないことがあります。そこで、顧客の属性や行動パターン、購買履歴などをもとに、共通の特徴を持つグループに分けます。

顧客セグメンテーションを特定する方法

ここでは、効果的にセグメントを特定する方法を解説します。

データ分析と顧客プロファイリング

まず、顧客のデータを分析し、共通の特徴や行動パターンを抽出することで、顧客セグメントを特定することができます。購買履歴や行動データ、属性情報などを活用し、顧客の嗜好や好み、購買パターンを理解することが重要です。データ駆動型のアプローチを取ることで、より客観的な視点でセグメントを特定することができます。

マーケットリサーチと顧客インサイトの収集

市場リサーチや顧客インタビューなどを通じて、顧客の意識、ニーズ、要求を把握することが重要です。顧客の声を聞き、フィードバックを収集することで、顧客の痛点や期待に応えるためのセグメントを特定することができます。また、競合分析や市場動向の把握も重要です。

RFM分析

RFM(Recency, Frequency, Monetary Value)分析は、顧客の購買履歴に基づいてセグメントを特定する方法です。顧客の最近の購買日、購買頻度、購買金額を評価し、高頻度で高額な購買を行う「重要顧客」や、久しぶりの購買をした顧客などをセグメント化することができます。

顧客のライフサイクルを考慮する

顧客のライフサイクルによって、顧客のニーズや行動が変化することがあります。新規顧客、成長中の顧客、定期的に利用する顧客、休眠顧客など、ライフサイクルに基づいたセグメンテーションを行うことで、適切な施策やアプローチを実施することができます。

2. リテンション(顧客維持)施策

リテンション(顧客維持)施策は、顧客の長期的な関与やロイヤルティを高めるために重要な戦略です。

個別対応とカスタマーケア

  • 個別対応
    顧客の特性やニーズに合わせた個別のアプローチを行います。顧客とのコミュニケーションを重視し、丁寧な対応やカスタマイズされたサービスを提供します。

  • カスタマーケア
    顧客からの問い合わせやフィードバックに迅速かつ適切に対応することで、顧客の満足度を高めます。問題解決やサポート体制の充実が重要です。

リワードプログラム

  • ポイント制度
    顧客の購買や行動に応じてポイントを付与し、特典や割引と交換できる仕組みです。顧客の継続的な取引を促進するために効果的です。

  • VIP会員制度

    一定の条件を満たす顧客に特別な特典やサービスを提供するVIP会員制度です。顧客の特別感や満足度を高め、ロイヤルティを強化します。

顧客エンゲージメントの強化

  • ニュースレターやメールマーケティング
    定期的に顧客に情報や特典を提供することで、関心を維持し、顧客との関係を深めます。

  • イベントやコミュニティ活動
    顧客との交流や参加型のイベントを通じて、コミュニティの形成や顧客の参加意欲を高めます。

サービス品質の向上

  • 顧客満足度調査やフィードバックの収集
    顧客の声を収集し、サービスの改善点や顧客ニーズを把握します。顧客の意見に応えることで、満足度やロイヤルティを向上させます。

  • 継続的な品質向上の取り組み
    品質管理やトレーニングプログラムを通じて、サービス品質の向上に取り組みます。顧客の信頼性と満足度を向上させます。

これらのリテンション施策は、顧客の長期的な関与や忠誠心を高め、顧客の継続的な取引や購買を促進するために効果的です。企業は顧客のニーズや好みを把握し、顧客の期待に応えるための施策を継続的に実施することが重要です。

3. リファラルマーケティングの活用

「リファラルマーケティング」は、既存顧客からの口コミや紹介を通じて新規顧客を獲得するマーケティング手法です。

リファラルマーケテイングの効果

リファラルマーケティングには次のような効果があります。

信頼性と信憑性の向上

既存顧客からの紹介は、信頼性と信憑性が高い情報として受け取られます。顧客同士のつながりや信頼関係を活用することで、新規顧客に対してより信頼できる情報を提供することができます。

効果的な新規顧客獲得

リファラル(紹介・推薦)は、新規顧客獲得において効果的です。既存顧客が自身の満足度や良い経験を共有することで、その情報はより広がりやすくなります。口コミや紹介による新規顧客は、顧客のニーズや好みに合致している傾向があり、高い顧客ロイヤルティを持つことが期待できます。

リファラルマーケティングの活用方法

リファラルマーケティングをどのように活用すれば、LTVの向上に寄与するでしょうか。

紹介キャンペーンの導入

新規顧客を紹介してくれた既存顧客に対し報酬や特典を提供することで、既存顧客に紹介を促すインセンティブを与えることができます。

口コミの活性化

顧客の声やレビューを積極的に集め、それをマーケティング活動に活用します。ウェブサイトやSNS上での口コミの共有や評価システムの導入など、顧客の口コミを促進する仕組みを作りましょう。

クライアント紹介のサポート

既存顧客が新規顧客を紹介する際に、必要な情報やマテリアルを提供することで、紹介のハードルを下げます。

リファラルマーケティングは、顧客の信頼と関与を活用して新規顧客を獲得する効果的な手法です。ここでは、既存顧客との良好な関係を築き、顧客の紹介を促進するための戦略と手法を適切に活用することが重要です。

カスタマーサクセスとLTVの関係

カスタマーサクセスとLTVには、次のような点で密接な関係があります。

顧客満足度の向上

カスタマーサクセスは、顧客の成功を支援し、満足度を高める取り組みです。顧客が製品やサービスを効果的に活用し、目標を達成できるようサポートすることで、顧客満足度が向上します。顧客が満足度を高めることで、長期的な関与やリピート購買が促進され、顧客のLTVが向上する効果があります。

顧客ロイヤリティの構築

カスタマーサクセスは、顧客との強固な関係構築に貢献します。顧客の成功に対する支援や関与を通じて、顧客は企業に対する信頼感や忠誠心を抱きます。顧客が企業にロイヤルな関係を築くことで、長期的なビジネスパートナーシップが形成され、LTVの向上につながります。

顧客の成長とアップセル/クロスセルの機会

カスタマーサクセスは、顧客の成長を支援するための戦略的なアプローチです。顧客のビジネスやニーズの変化に対応し、追加の価値を提供することで、アップセルやクロスセルの機会が生まれます。顧客が既存の製品やサービスを拡大・深化させることで、LTVが増加し、収益性が向上します。

口コミやリファラルの促進

カスタマーサクセスは、顧客の成功体験を共有し、口コミやリファラルを促進する役割も果たします。顧客が満足度を高め、成功事例を積み重ねることで、他の潜在顧客への影響力が生まれます。口コミやリファラルを通じて新たな顧客を獲得することで、LTVの拡大とビジネス成長に寄与します。

詳しくは、この記事でも解説しています。ぜひご覧ください。

まとめ

LTVの重要性

LTVを理解し、最大化することは企業にとって重要です。LTV最大化は収益性の向上、コスト削減、顧客満足度の向上など多くのメリットをもたらします。

LTVの計算方法

LTVは複数の要素から計算されます。主な要素には平均購入単価、粗利率、平均購入頻度、平均継続期間があります。ビジネスモデルに応じた計算方法を適用しましょう。

LTVの活用方法

LTVを活用することで、マーケティング戦略の最適化、顧客サービスの向上、収益予測と投資判断、チャーンレートの改善などさまざまな施策を実施できます。

カスタマーサクセスの重要性

カスタマーサクセスは顧客の成功を支援し、顧客満足度やロイヤリティを向上させます。LTVの最大化においてカスタマーサクセスは欠かせない要素です。

LTVの理解と最大化はビジネスの成長と収益性向上につながる重要な取り組みです。事業の規模に関係なく、LTVを最大化するための戦略と手法を積極的に活用しましょう。

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